平成22年5月改訂 |
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〔基本方針改訂の経緯〕
小中一貫教育は、これまで「中1ギャップの解消」や「小学校と中学校の円滑な接続」といった視点から論じられてきた。また、全国的な課題となっている学校の小規模化に対応するための1つの方法ともされてきた。浜松市が平成19年4月に策定した「浜松市小中一貫教育基本方針」でも、小中一貫教育の目的を「小学校と中学校の滑らかな接続」と「小規模校への対応」としてきた。
しかし、今、違った側面から小中一貫教育が注目されている。平成20年3月に公示された新学習指導要領では、子どもたちに「確かな学力」を身に付けさせ、「生きる力」の基盤となる社会性や道徳性の育成を図るために、校種を超えた指導の連続性を求めており、その手段として小中一貫教育が全国的な広がりを見せている。
こうした情勢の変化を踏まえ、浜松市小中一貫教育基本方針を改訂する。
※「小中一貫教育」「小中一貫校」の定義が国の段階で明確にされていないため、その取組状況や捉え方は自治体によって異なっている。浜松市では、「小中一貫教育」を「小学校と中学校の9年間の学びと育ちをつなぐ教育」とし、市内48すべての中学校区で推進する。また、「小中一貫校」を「同じ敷地内で小学校と中学校が1つの学校として運営されている施設一体型の学校」とする。
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1 浜松市としての考え方 〜今、なぜ小中一貫教育を進めるのか〜
- 浜松市では「教育は人づくり」と捉えている。しかし、最近の社会の状況や子どもたちの様子から、規範意識、思いやり、生命の尊重、自尊感情といった「人」としての大切な部分が薄れていくことを心配する声が聞かれ、子どもたちの「心の耕し」が急務となっている。
- 子どもたちを「夢と希望をもって学び続ける市民」へと成長させていくためには、発達段階に適した指導を積み重ねていくことが不可欠である。「小学校では」「中学校では」という学校側からの視点ではなく、「個々の子どもの成長のためにどうするか」という子どもの側に立った視点で教育をしていく必要がある。
- 浜松市には、小学校から中学校への接続に早くから目を向け、小学校高学年での一部教科担任制を全国に先駆けて取り入れてきた実績がある。また、すでにすべての中学校区で様々な「小中連携」をしており、小学校と中学校が協力して取り組める下地ができている。
- 今後は中学校区ごとに「中学校を卒業する時にこのような子どもであって欲しい」という「目指す子どもの姿」を明確にし、その姿を小学校、中学校、家庭、地域が共有して一貫性のある指導をしていく。
- 浜松市は、小学校から中学校までの義務教育に責任を持ち、「9年間の学びと育ちをつなぐ小中一貫教育」を推進する。
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2 浜松市としての取組
- (1) 現在の「中学校区」を基本として取組を進める。
- 現在、浜松市には48の中学校区がある。小中一貫教育は、その中学校区を基本として取組を進める。
なお、取組を進めるにあたっては、卒業後の進学先が複数の中学校に分かれる小学校の子どもたちや、転居等の理由により9年間の途中で中学校区が変わる子どもたちの負担とならないよう配慮する。
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- (2) これまでの「小中連携」の取組をもとに、小中一貫教育の体制を整える。
- 浜松市では、すでにすべての中学校区で小学校と中学校が様々な「小中連携」をして成果を挙げており、小学校と中学校が協力して取り組める下地ができている。今後は、これまでの「小中連携」の取組をもとに、小中一貫教育を推進する体制を整えていく。
各中学校区においては、これまでの取組を「9年間の学びと育ちをつなぐ」という視点から見直すとともに、互いの学校の情報を共有し、各学校が同一歩調で一貫した指導をしていく。
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- (3) 中学校区ごとに「目指す子どもの姿」を明確にする。
- 小学校と中学校に指導法の違いがあるのは事実である。しかし、その違いは、小学生と中学生それぞれの発達段階に合わせた指導をすることから生じてきた違いでもある。小中一貫教育を進めるにあたり、小学校と中学校の教職員は、その違いを理解するとともに、互いのよさを尊重し、学ぶべきことは学ぶという姿勢で取組を進める。
小中一貫教育のねらいは、小学校と中学校の指導法をすべて同じにすることではない。小学校と中学校が「目指す子どもの姿」を共有し、一貫した指導をすることにある。各中学校区においては、子どもの実態や地域の特色から課題を整理し、「中学校を卒業する時にどのような子どもであって欲しいのか」という「目指す子どもの姿」を明確にする。
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- (4) 9年間の「学び」をつなげるために、各教科・領域の学習の系統性を見直す。
- 子どもたちの小学校と中学校の9年間の「学び」をつなげるために、各教科・領域の学習の系統性を今一度見直す。
学習指導要領に沿って作成されている教科書は、子どもの発達段階に合わせて学習内容が配列されている。小学校での学習が中学校のどの学習につながっていくのか、中学校での学習は小学校のどの学習が基礎となっているのか、教員が学習の系統性をしっかりと意識して指導することで、子どもたちの9年間の「学び」をつなげていく。
また、道徳、外国語活動、総合的な学習の時間、特別活動といった各領域の学習についても、中学校区ごとに系統性を見直し、各校が「目指す子どもの姿」を意識した一貫性のある指導をしていく。
なお、9年間の学びをつなげるという観点から、小学校高学年での一部教科担任制を引き続き実施していく。
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- (5) それぞれの学校の「学年間」や、小学校同士の「学校間」にも目を向ける。
- 小中一貫教育が目指すところは、9年間を通して子どもを健やかに成長させていくことにある。小学校と中学校の接続だけではなく、小学校の6年間、中学校の3年間という、それぞれの校種の学年間の接続も再確認する。
また、小学校卒業後は同じ中学校へ進学することを考慮し、同じ中学校区の小学校同士の関係にも目を向ける。それぞれの小学校の特色を大切にしながら、小学校段階で指導すべきことは同一歩調で指導し、中学校へとつなげていく。
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- (6) 「目指す子どもの姿」を家庭や地域とも共有する。
- 9年間の学びと育ちをつなげ、社会性や道徳性の育成を図るためには、家庭や地域の協力が不可欠である。周りの大人との関わりを通し、「自分は大切にされている」、「自分は必要とされている」と実感できれば、子どもは安心して日々の生活を送り、健やかに成長していく。
学校、家庭、地域が同じ方向を向いて子どもを育てていけるように、「目指す子どもの姿」を保護者や地域住民とも共有し、三者が一体となった教育をしていく。
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- 【 小中一貫校について 】
- より充実した小中一貫教育をしていくためには、施設一体型の「小中一貫校」が理想である。しかし、その設置に際しては、毎日の安全な通学手段の確保、小学生と中学生が共用できる施設の整備、9学年の子どもが集まることによる学校の大規模化への対応など、多くの課題を解決する必要がある。こうしたことから、市内すべての中学校区に小中一貫校を設置することは現実的ではない。
浜松市における小中一貫校の設置は、交通の利便性のよい地域や、設置を望む声が上がっている地域を対象とする。
また、「小中一貫校」は、小中一貫教育の実践や成果を他の中学校区に広げていく「モデル校」と位置づける。
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