1 校内研修 
     
(1) 研究構想
 @ 研究テーマ   「 ともに学び合う子の育成 」
 
 A 研究テーマ設定の理由
  本校の子どもたちは,人の意見を素直に聞いたり,真面目に活動に取り組んだりする ことができる。また,友達との活動の中に喜びや充実感を見つけられる良さももってい る。しかし,友達との活動の中で,「ともにやる」ことはできるが,良さや違いを認め 合い,意見を出し合い,お互いを高め合うことはできていないと感じる。自分の思いや 考えに自信を持てなかったり,伝える力が十分でなかったりするために,自分らしさを 発揮できていない子が多くいる。
  そこで,研究テーマ「ともに学び合う子の育成」を設定した。子ども同士,子どもと 教師,また子どもと教材などがかかわり合いながら,自分自身を高めていこうとする姿 を目指していきたい。
 
 B 校内研修の推移
  教育目標である「めあてをもち,ともにやりぬく子の育成」を目指し,平成20年度, 21年度は「主体的に学び,ともに高め合う子の育成」を研究テーマに校内研修を進め てきた。そこでは,「主体性」と「高め合い」の2本柱で研修を行ってきた。平成22 年度からは過去2年間の2本柱である「主体性」「高め合い」の中の「高め合い」に焦 点を絞り,子どもたちが関わり合いながら「学び合う」姿を目指し研修を進めてきた。 「学び合う」とはどういう姿なのか,「学び合う」ために教師がどんな手立てを講じれ ばいいのか,ということについて,授業研究や日々の実践を積んできた。
  平成23年度は,これらの実践に加えて,発達段階を押さえた学び合う姿を明確にし, 子どもたちが「わかった」「できた」と実感できるようにしたい。そして,教師は,子 ども一人一人のつぶやきや細かな変化に敏感に反応できるような「子どもを見る目」を 養っていきたい。
 
 C 研究構想
  「ともに学び合う子の育成」を目指すためには,まず人間関係作りが不可欠であると 考える。子ども同士が,お互いを認め尊重し合い,素直に何でも言い合える関係があっ てこそ,「学び合う」関係が成り立つ。それは,わからないことを素直に友達に聞ける 関係であり,また,お互いに「ありがとう」を言い,「ありがとう」を言われる関係で ある。そのために,教師は子どもが何を考えているのか,どんなものに興味があるのか, 友達とどんな関係を築いているのか,などの子ども理解に努め,常に「学び合う」人間 関係作りに励まなくてはならない。
  「学び合う」とは,お互いが関わり合いながら,ともに高め合う活動である。学び合 う活動には,3つの重要な活動が密接に関わっている。それは,「聴く」「話す」「つな ぐ」の3つである。
  まず,「聴く」ことであるが,ここではあえて「聞く」ではなく,「聴く」を使ってい る。これは,ただ何となく聞くのではなく,心を傾けて聴くことを目指したいと考えて いるからである。課題を自分のこととして捉え,友達の考えを共感的に認め,自分の考 えと比較しながら聴く態度を養いたい。それは,友達の発表に身を乗り出して聴く姿で あり,学び合う関係作りの素地となると考える。
  次に,「話す」ことである。自分の考えを友達やいろいろな人に進んで伝えようとす る態度を養いたい。話すには,まず自分の考えを確実にもち,話すことを整理しておく 必要がある。そのために,自分の考えを「書く」ことを大事にしたい。書くことで,自 分の考えをしっかりともち,また整理することができるからである。話し方はつたなく ても,伝えようとする意欲がもてる子を育てたい。
  3つ目は,「つなぐ」ことである。この「つなぐ」は,多くの意味をもっている。子 どもが,友達の考えと自分の考えをつなぐ,教材と自分をつなぐ,学習と生活をつなぐ, 前の自分と今の自分をつなぐ,などである。子どもたちが,自らこの「つなぐ」ことが できるようになることで,「学び合い」が成立し,子どもたちがお互いに関わり合いな がら成長できるのだと考えている。
  これらの「聴く」「話す」「つなぐ」が密接に関連し合いながら,学び合いが成立する ように教師は授業作りを行う。まずは,教材の本質に迫る教材研究は欠かせない。子ど もたちが教材に興味をもち,課題を自らのこととして捉えることができるようにする。 授業の中では,一人学びや友達との交流,活動の振り返りを行っていきたい。一人学び では,教材とじっくり向かい合い,自分の考えを整理しながら書くように指導する。ま た,教師はここで子どもの考えを把握し,子どもたちが自信をもって話せるように丁寧 な指導を行うことが大事になる。交流では,ただ交流するのではなく,どの課題で交流 するのか,どんなグループで交流するのかが重要になる。教師が授業の中で,学び合う タイミングを逃さないようにしたい。振り返り視点を明確にして,自分の成長や変容を 実感できるようにする。また,個人の振り返りを全体に広めることで,友達とともに高 め合っているんだということが感じられるように指導をしていく。
  「ともに学び合う子の育成」には,「聴く」「話す」「つなぐ」が関わり合う活動を行 うことが大事になる。これは,子どもたちだけでなく,教師にも言えることで,教師も 子どもの考えを深く聴き,子どもの心に届くように話し,子どもの考えをいろいろなも のにつなぐことを念頭に,全ての教育活動を行えば,学校教育目標である「めあてをも ち,ともにやりぬく子」に近づいていくものと確信している。
  
 D 具体的な取り組み
  ○ 「目指す子どもの姿」の作成
   年度の初めに子どもたちと授業中の目指す姿についての話し合いをする。それをも  とに「目指す子どもの姿」を作成する。2学期,3学期には修正を加え,「学びの軌  跡」で自分の実践を振り返り,研修のまとめとする。
 
  ○ 気軽に授業を見合う体制作り
   学年団を中心にして研修を進める。年間1回は,指導案を作成するが,指導案がな  くても気楽に見合えるような体制作りに努める。
 
  ○ 日々の学び合いの蓄積
   週案に日々の学び合いの様子や「目指す子どもの姿」への取り組みなどを記入する。  蓄積された学び合いの実践は,校内研修の充実に生かしていく。